平成26年2月8日 取材 写真 文 前田真司 銘酒「手取川」は金沢市の南隣、旧松任市に位置する吉田酒造店で造られています。石川県のお酒は個性的な酵母を用いる蔵元が多くある印象で、吉田酒造店の山廃酒も個性をはなっていました。近年は個性的な酵母に加え、アルコールを抑えた酒や、果物が薫るような香りの酒造りも行って支持を得ています。伝統の吟醸造りも変わらず磨きをかけられ、次期社長も含め比較的若い蔵人が豊富な活気溢れる蔵元さんです。 石川県白山市 株式会社 吉田酒造店 明治3年(1870年)創業 |
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最寄り駅は金沢駅から3駅の松任駅で、駅から車で15分程度、歩くと1時間程度、東京からだと車で6時間あまりの所にあります。 |
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取材の日は東京だと大雪に思われるほどの雪降りでした。 |
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現社長の恩師にあたる方が作ってくれたケヤキの看板。名札にある吉田泰之さんは社長のご子息で、酒造りに従事されています。 |
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吉田社長が蔵を案内して下さいました。写真は精米所です。 |
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兵庫県産「特」印の山田錦。 |
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吉田酒造店では自家精米で理想の品質を追求しています。ここで余談ですが、日本酒の蔵元は自家精米の設備がある蔵ばかりではありません。複数の蔵共同でひとつの精米機を使う場合もあります。かといって手を抜く訳ではありませんし、普通に美味い酒が出来上がります。その上で自家精米に拘り、自分の蔵の酒の価値を少しでも向上させようという「精神」、それを評価しない訳にはいかないでしょう。失礼いたしました。 |
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取材当時、吉田社長が「最新で価値のある」と胸を張っておられた洗米からに関する醸造機械です。 |
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いわゆるベルトコンベアの上に洗米・浸漬を終えた米が乗っています。下の写真では水切りへとタンクに移されます。 |
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別の頁でも記しましたが、機械を使った酒造りに顔を顰める考えがあります。酒は全て手作業で造れる一方で量は限定されます。全てが高価な酒になると誰がどれだけ購入出来るでしょう。蔵元は供給と品質に極めて頭を使っています。「美味い酒を多くの人に」という理想を実現しようと、極めて一部の大吟醸以外では、「美味い酒を多くの人に」への価値がある機械を利用して、我々に美味い酒を提供してくれています。少し滑稽にも見える上の写真ですが、「価値」というモノを再認識させてくれています。 |
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米を蒸し上げる甑(こしき)です。取材の時にはすでに蒸し終わっていました。人が乗る足場が見えます。 |
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製麹室(ムロ)の入口です。 |
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吉田社長は常に丁寧で親切にお客様に接して下さいます。 | |||||||||||||||
麹の温度の記録が美味しい酒に繋がります。 | |||||||||||||||
こちらの表は米の数量の記録に思われます。 | |||||||||||||||
仕込みタンク、このタンクでは梯で手を入れるようです。 | |||||||||||||||
梯に上りました。毎日モロミを見るのを重ねると、自然とモロミの様子が分かるようになるようです。 | |||||||||||||||
吉田社長がモロミを飲ませてくれました。とても親切です。 | |||||||||||||||
発酵の様子を撮影しましたが写真では分かりませんです。 | |||||||||||||||
元気よく泡が立っているのは分かります。 | |||||||||||||||
日付と数量を見ると先程のムロで見た表と同じようです。常に目にして「体が覚える」のが重要なようです。 | |||||||||||||||